
山北 イレブン
迎えた37分。山北が得た右からのCKは、ファーに流れたボールをMF13瀬戸優作がダイレクトで叩き込む。強烈かつ鮮やかな一撃は、間違いなく「ゴラッソ」と呼ぶにふさわしいものだった。
「自分がファーに構えていたんでボールが超えてきたら絶対決めようって思ってました」
そう語った瀬戸の表情には、ただの偶然ではなく“準備していた自信”がにじんでいた。
そして62分、ついに逆転。左からのCKがゴール前でこぼれたボールを、キャプテンMF7伊藤涼仁が豪快に蹴り込みネットを揺らす。こちらもまた、渾身の“ゴラッソ”だった。
「いい位置にボールが転がってきたんで、あとはぶちこむだけでした。めちゃくちゃ気持ちよかった」
伊藤はそう笑ったが、その裏には冷静さを失わず集中し続けたチーム全体の意識があった。
▽第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選
第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選

