一方、敗れた厚木北の渡邊浄仁監督は「完全にやられました。分析され尽くして完敗です」と潔く認めた。さらに「3年生の力で必ず勝ちたいと思って臨んだが、前半で力を出させてあげられなかったのは自分の力不足」と悔しさを滲ませる。それでも「最後まで背中を見せて戦った3年生たちを誇りに思う。社会に出ても可愛がられる人間になって欲しい」と、指導者としての想いを口にした。

　試合は終わったが、その背中を見た下級生たちが次を担うだろう。

　逗子葉山の渡辺は「去年も一昨年も2回戦で負けてるので、次は勝ちたい。今日、文化祭で来れなかった友だちの前でリーフで戦いたい」と先を見据える。大場も「終盤の失点は課題。勝っていても最後まで集中することを忘れない」と口にする。

　ホームとも言える横須賀リーフスタジアムでの次戦へ、彼らはまた準備を重ねる。どんなに研究され尽くしてもなお、自らの強みを出し切るチームこそが、この選手権の舞台で生き残っていくのだろう。

(文・写真＝西山和広）