しかし60分、相洋がFW9能戸岳成のゴールで1点を返すと、試合は一気に緊迫する。能戸は「まだ(時間)あるよ」と仲間を鼓舞するが、タイムアップは刻々と迫っていく。残された時間はアディショナルタイムの5分間。相洋は怒涛の攻撃で横浜隼人ゴールに襲いかかったがあと1本が遠かった。DF3宿野部瑶太は「相手に押し込まれる時間が続いてる時はしんどい展開だったんですけど、最後は気持ちの部分で上回ることができた」と振り返る。「相手が蹴ってくることはわかってたんで、それに対して自分たちはしっかりヘディングで弾くとか、カバー入るとかっていうことを意識した」と、準備してきたことを愚直に実行した。

 この場面で光ったのが横浜隼人のベンチワークだ。少しの間合いでも給水ボトルをピッチサイドで用意し、選手たちのケアを怠らない。高松監督は「最後、走りきるところで攣った選手が何人もいたんで、そこを攣らないように、こちらはコンディショニングに努めた」と選手のコンディション管理に心を砕いた。「普段から練習で最後まで走るということを意識してやってるので、その成果が出た」と宿野部が語るように、日々の積み重ねが最後の踏ん張りを支えた。

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▽第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選
第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選