桐光学園イレブン

 35分、右サイドのDF13萩原慶の突破からの折り返しがゴール前の競り合いを超え、逆サイドにこぼれると、これをDF5陶山響が押し込んで2-0として前半を折り返す。しかし、控え室に戻る選手から漏れ聞こえたのは「2-0は危ない。後半もしっかりいこう」という掛け声。優位な展開にも緩むことなく、チーム全体が勝利への執着を共有していた。

 後半に入ってそれを示したのは、またもや西城だった。69分、再び右サイド萩原の折り返しを沈めて3-0。2年生にして桐光のエースナンバー9を背負う責任と自負が宿る追加点。「9番は点を取らないと“99番”になるって言ってます」と鈴木監督は冗談めかして語るが、その裏には「2年生で全国に出て、自分の存在価値を証明しろ」という厳しくも温かいメッセージがある。西城自身も「チームを勝たせられる存在になっていきたい」と胸を張る。「オフザボールの動きやアクションには自信がある」と語る彼は、2ゴールを決めても「まだ2、3本決められるチャンスがあった」と自らを省みた。

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▽第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選
第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選