エンドが変わった後半も試合の主導権を握ったのは大産大附。「トーナメントなのでボールを回して取られて失点が一番嫌。セーフティーに蹴ろうと思っていた」と谷端は明かす。守備も前からプレスを引かず、少し気味の位置でブロックを作成。意図的に相手にボールを持たせながら、ミスした瞬間を狙ってリードの意地を狙った。「得点ゼロでも良いから、失点をゼロにしたかった」(中西)戦法がうまく機能し、3-1で試合を終えた大産大附が準々決勝へと駒を進めた。
7月のインターハイでは初戦で大分鶴崎に2-1で勝利。全国初勝利に湧く一方で、2回戦の帝京長岡戦は0-4で敗れ、全国の厳しさを突き付けられた。「全国常連、プレミアのチームと対戦したのはインターハイが初めて。その中でゴールに向かう回数などやれた部分もあった。その中でゴールを守る、ゴールを奪うというところが帝京長岡と違った。相手は失敗してもまた同じ形で仕掛けてくるのに、うちは失敗したらガクッと来ていた」。そう振り返るのは中西監督で相手に研究され、先制点を許し、難しい試合となった中でも落ち込まずに逆転まで持ち込めたのは全国の経験が生きた。
選手はインターハイ初出場だけで満足していない。「インターハイで全国の舞台に出て慢心するのではなく、選手権も取ってもリーグ戦も全部上げたい。目標を全て達成するつもりです」。谷端の言葉通り、残り3勝を果たし、大産大附は夏冬連覇を果たすつもりだ。
(文・写真=森田将義)
▽第104回全国高校サッカー選手権大阪予選
第104回全国高校サッカー選手権大阪予選

