野辺地西 vs 青森山田(写真=新保克詞)

 後半に入ると徐々にスタミナと強度で勝る青森山田が主導権を握るものの、51分に左CKからファーサイドでDF4月舘が合わせたスライディングシュートがクロスバーを叩き、61分にはMF16杉山の速く正確な右クロスにフリーでFW11桑原が合わせたヘディングシュートはゴールライン上で相手DF4山下のクリアに遭うなど、わずかな差でゴールを陥れることができず時間が経過。気付けば残り15分を切り、野辺地西の快挙が現実味を帯びてきた。

 

 そんな重いプレッシャーを青森山田は得意とするセットプレーで振り払う。66分、MF15藤原が蹴った左CKに打点の高いヘディングで合わせたのはDF2菱田。ワンバウンドしたボールがゴール右隅に入り、ついに青森山田が同点に追い付いた。

 これで一気にギアが上がった青森山田は、クロスとロングボールを用いて次々と八戸学院大野辺地西のペナルティーエリア内に侵入。迎えた74分、ようやくカウンターの態勢に移ろうとした野辺地西のパスを素早く回収した緑のユニファームは、15藤原→後半途中から前線にポジションを移していた3福井を経てエースFW9深瀬の下へラストパスを供給。「プレッシャーをはねのけて撃つことができた」9深瀬がグラウンダーで放ったミドルシュートは相手GKの手をかすめゴール左隅へと転がり、青森山田が鮮やかに逆転を果たした。

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▽第104回全国高校サッカー選手権青森予選
第104回全国高校サッカー選手権青森予選