朱雀イレブン(写真＝雨堤俊祐)

　勝利した共栄だが、内藤翔平監督は「良くなかったです。難しい試合でした」と言葉少なだった。優勢だった前半から一転、後半は途中まで相手に流れを持っていかれた反省などがあり「攻め方や、攻めているときの守備(の準備やボールを失った後の対応)を、準決勝までに修正しないといけません」と勝って兜の尾を締めていた。3日に前年度の優勝チーム、京都橘に挑む。

　敗れた朱雀だが、総体予選に続く選手権予選でのベスト8進出は府内におけるサプライズだった。キャプテンのDF黒川蓮斗(3年)を軸とした最終ラインはロングボールや相手の攻撃を弾き返す力があり、ベースとなる守備をしっかりと構築。中盤でもMF井本仁(3年）が周りを見ながらバランスを取り、攻撃でも馬場がスピードを生かしてカウンターをけん引して、勝ち上がってきた。選手の大半はクラブチームではなく、中学校のサッカー部の出身。朱雀も土のグラウンドで日々汗を流す、いわゆる普通の公立高校だが、全員の力で「今年のチームの目標だったベスト８」(黒川)を達成した。大槻監督は「下の学年をしっかりと引っ張ってくれて、頼り甲斐のある3年生が揃ってたのが、インターハイも含めて勝ちにつなげれる大きな要素の1つでした」と躍進の要因を語っている。

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