この試合については、キャプテンの黒川は「チャンスで決めきる力が、強豪よりも低かった。すごく悔しい試合」と振り返った。前線で戦った馬場も「相手の守備はマークやチャレンジ＆カバーがしっかりしていた。空中戦の競り合いも身体をつけられて、上手く飛ばせてもらえなかったところなんかは強いなと思いました」と話している。チームとしても格上の相手と渡り合う為に前半からハードワークし続けたが、フィジカルの強い相手と戦い続ける中で、後半途中から出足が鈍ったり、足がつりそうになる選手が続出した。「選手たちはファイターになって戦ってくれました。ただ、運動量で相手に勝てなかった」(大槻監督)と共栄の強さを語っている。

　選手権はベスト8で幕を閉じたが、馬場は3年間の高校サッカーを「3年生になった今年が一番早かった。『最後の集大成にかける日々が、もう終わりなんだ』って思いました」と振り返った。そして「早かったけれど充実していましたね」と、やり切った表情を見せていた。

　(文・写真＝雨堤俊祐)