前橋育英 vs 前橋商(写真=会田健司)

 

 その後も選手を入れ替えながら優位を保った前橋育英。最後は相手陣地深くでボールをキープするなど、勝負に徹する姿勢も見せながら逃げ切りに成功。複数得点とはいかなかったが手堅く勝ち切り、今年もしっかり全国への扉をこじ開けた。

 前橋商も前半に喫した失点でプランが崩れてしまったが、それでも高校年代屈指のタレントを揃える相手に一歩も引くことなく王者を大いに苦しめた。DFラインは試合を通して集中を切らさず、左SBに入ったDF23石井蒼泰(2年)は守備で奮闘しながらも攻撃に転じた際には強気な姿勢を貫いた。キャプテンのMF10工藤大翔(3年)も簡単にボールを手放すことなく、少ない人数でもパスを繋ぐ意思をみせた。チーム全体にこの姿勢があったからこそ前橋育英の一方的な展開にならず、決勝戦にふさわしい好ゲームが繰り広げられた。

 それでも勝ち切った前橋育英。山形内定の竹ノ内、今治内定の柴野、名古屋内定の久保とJ内定3名を擁し、その他にも瀧口、白井、平林など、能力の高い選手たちが勝利に向かって妥協を許さない。優勝を決めても勝って当たり前といった表情をみせた選手たちからは王者の風格も漂っていた。

(文・写真=会田健司)

▽第104回全国高校サッカー選手権群馬予選
第104回全国高校サッカー選手権群馬予選