しかし、リードを奪った静岡学園の攻撃は次第に停滞していく。外回しのパス回しに終始し、ゴール前でのクオリティを欠いた前半。「外回しのパスで攻撃が単調になっちゃって、前半はミドルシュートが1本もなかった」と川口監督が嘆く。浜名の粘り強い守備に阻まれ、追加点を奪えないまま1-0で前半を折り返す。

 だが、ハーフタイムの川口監督の的確な指示で後半の流れが大きく変わる。「ハーフタイムで修正して、ミドルが増えた。シュートの意識、前が空いたら積極的に打とうと伝えた」。その言葉を受けたMF13杉田和心は、54分のゴールをこう振り返る。「真ん中でミドルを狙っていけって言われて。あそこで持った時にまずシュートを考えて打ったら、敵に当たってうまく入った」。ペナルティエリア手前、一瞬の隙を突いたミドルシュートがゴールに吸い込まれた瞬間、試合の流れは完全に静岡学園のものとなった。

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▽第104回全国高校サッカー選手権静岡予選
第104回全国高校サッカー選手権静岡予選