
2アシストの磐田東MF8加藤侍大
試合後、磐田東の山田智章監督は「セットプレーは練習していた形。あれはもう狙い通り」と胸を張る。実際、1点目のCKは「相手のマークを外しさえせれば、絶対チャンスと言ってあった」。練習で磨き上げたセットプレーが、試合の主導権を早々に握る結果を呼んだ。
その一方、チームには大きな逆境もあった。主力だった中盤の要のMF6佐藤陽斗と、キャプテンのMF10石川柚友がけがで長期離脱。「2人ともチームの中心だったけど、代わりに出ている選手がよくやってくれている」と指揮官は語る。チームは“2人のためにも”という思いを胸に、ひとつになってこのトーナメントを戦っている。
2アシストを記録した加藤は「元々(佐藤)陽斗を全国に連れていきたいという気持ちが強くて、みんなでその思いを背負ってプレーしている」と語る。仲間の想いを背負いながら、的確な展開とドリブルでチャンスをつくり続けた。彼の言葉に、チームの現在地と方向性がよく表れている。「ベスト4は30年ぶりと聞きました。磐田東の歴史を作れたのは嬉しい。でも、全国に行かないと意味がない」。一過性の快挙では終わらせないという決意が芽生えている。
▽第104回全国高校サッカー選手権静岡予選
第104回全国高校サッカー選手権静岡予選

