
先制ゴールを決めた磐田東DF14鈴木海生
また、先制点を奪った鈴木(海)も、佐藤が務めていたボランチに9月からコンバートされてからの成長をこう語る。「最初は不安でしたけど、監督や仲間が支えてくれて少しずつできるようになりました」。新しい役割への挑戦が実を結び、今や中盤でチームのリズムをつくる存在となった。鈴木(海)は次戦への覚悟も口にする。「同じ西部地区の(浜松)開誠館とはダービーみたいなもの。絶対に負けられない」。
磐田東はこの1年、冬の全国を見据えて地道に積み上げてきた。令和6年度静岡新人戦(新人選手権大会)準優勝、令和7年度全国高校サッカーインターハイ(総体)静岡予選ベスト4、そして今回の準決勝進出。監督も「この子たちは結果を残してきている。ここから本当のチャレンジャー」と語るように、勢いと実力を兼ね備えたチームへと変貌を遂げている。守備の安定感と組織的な攻撃、その裏にある選手一人ひとりの責任感が、今の磐田東を支えている。
主力の不在を嘆くのではなく、その分まで戦う覚悟を胸に刻んだ磐田東。30年ぶりのベスト4という歴史の扉を開いたチームは、8日に総体予選を制した浜松開誠館との“西部対決”に挑む。「ここから本当のチャレンジャー」。その言葉通り、磐田東の冬はまだ、熱く続いていく。
(文・写真=西山和広)
▽第104回全国高校サッカー選手権静岡予選
第104回全国高校サッカー選手権静岡予選

