試合後、尚志の中村監督は3点リードした後の攻撃を「一人ひとりがボールを持つ時間が少し長くなった」と指摘する。相手のプレスを、確かな技術と判断でかわして攻撃を構築していたように見えたが「相手が前からボールを奪いにきたなら、その背後は手薄になるが、そこを狙う動きが少なかった」と指揮官は改善点に目を向けていた。
一つの指針となるのが、2週間前のプレミアリーグ参入戦だ。プリンスリーグ東北を制覇して挑んだ同大会だったが、Aブロック決勝戦で東山に敗れて、昇格はならなかった。前から激しくボールを奪いに来る相手に敗れた教訓を生かすのであれば「(高松商の)プレスに対して、どう攻めていくのかをもっと突き詰めてプレーしないといけなかった」(西村)という反省が残る。相手が前からボールを奪いに来るなら、その背後を狙った攻撃を繰り出すことで、相手選手の意識を後方に向けさせることができる。そうすることで今度は手前にスペースや時間が発生して、尚志のストロングポイントがより発揮されるはずだ。「3年ぶりの初戦突破はとてもうれしい」(仲村監督)と結果を喜びつつ、6ゴールの大勝に満足することなく課題にも目を向ける。過去最高成績のベスト4に到達し、超えていくための第一歩を踏み出した。
第104回全国高校サッカー選手権

