「正直一番2-0が危ないと思っていたので、もう1点取りたかった」と振り返る菅はこう着状態が続く中でも集中力を切らさないよう“気持ち、気持ち”と声を掛け、チームメイトを鼓舞。それでも関口にゴールを決められ、1点を返されたが、試合終了間際にはカウンターからゴール前をフリーで抜け出した安井が3点目を決めて勝負あり。関大北陽は決定戦に向けて弾みのつく勝利となった。

 今年の関大北陽は新チーム発足時にインターハイ、選手権での全国大会出場。そして、プリンスリーグへの昇格を目標に掲げたが、インターハイはベスト16、選手権はベスト8で敗れ、全国に届かなかった。選手権で負けた後は気落ちしたものの、残る一つの目標であるプリンス昇格の芽は残されていた。「絶対に上げよう、何かを残そう。最後は笑って終わろうとモチベーションを上げ続けて、良い雰囲気を保てていたのでメンタルは落ちなかった」(宮垣)。

「全員でできるサッカーはあと1試合だけ。最後、笑って終わるというのがチームのテーマなので、勝っていても負けていても応援を含め、自分たちの雰囲気を作り続けたい。自分たちのサッカーをやり続けて、プリンスに昇格したいです」。そう意気込むのは菅で、笑顔で高校サッカーに別れを告げるため、関大北陽はラストの1試合で全てを出し切る。。

(文・写真=森田将義)

▽高円宮杯 JFA U−18サッカーリーグ2025プリンスリーグ関西 プレーオフ(参入戦)
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