後半に入っても蕨の攻勢は続き、10分に間接FKから岡田が決め、37分には前半から敵の陣営に再三顔を出し、惜しいシュートを放っていた根岸が豪快にけり込んだ。岡田は39分と40分に連続ゴール。栗原と同じく4点を積み上げた。アディショナルタイムに途中出場のFW梅原拓真(1年)が、シュートのこぼれ球に素早く反応し、大量点を締めくくる11点目を押し込んだ。

桶川西 vs 蕨
公式戦での4ゴールは初めての経験という岡田は、「今日は中途半端なプレーをせず、パスをもらったらどんどんシュートすることを心掛けて試合に入りました。こんなに取れてうれしい」と顔をほころばせた。新チームになってからレギュラーポジションを獲得したそうで、持ち味はポストプレーだという。2回戦の相手はシード校の山村学園だが「次は自分たちのグラウンドが会場なので、またゴールを奪ってホームで勝ちたいです」と意欲を示した。
蕨は前回大会まで2年連続で決勝トーナメントに駆け上がっているが、いずれも1回戦で敗退しただけに、岡田も3度目の今年に懸ける思いが強いという。
桶川西は深谷商に0-10で屈したインターハイ北部支部予選1回戦に続き、無得点で敗れた。サッカー部員では唯一の3年生、主将のMF坂本凌馬は「1点取ろう、がチームの合言葉でしたが残念です……」と悔しさをにじませる。
チーム戦術のひとつが、1トップの古川頼城(2年)をターゲットに長いボールを使って守備の背後を狙わせること。ドリブルが得意な坂本は、MF齋藤唯人(2年)とともに攻撃を組み立てる役割だ。下級生ばかりでチームをまとめるのに苦労したそうだが、「大変だったけど仲のいいメンバーばかりで、試合になるとみんなで頑張ってくれました」と助っ人の部員にも感謝した。
今春就任した冨田展弘監督によると、1日約1時間半の練習を週に4日こなしてきたが、集めるのは6人ほどだ。インターハイ予選は9人で戦ったが、坂本にとって最後の選手権予選とあり「ここまで引っ張ってくれた彼のためにバスケ部と野球部にお願いし、何とか11人そろえました」と説明。しかし練習も試合も11人での経験がまったくないそうで「戦術的なことより、とにかく楽しくやることが大切だと伝えて送り出しました」と述べる。
前半こそ6点を奪われたが、後半は10分の失点から終盤まで無失点。冨田監督は「よくやってくれたと思います」と褒めると、「来年こそは部員を多く集めて単独チームで1勝を挙げたいですね」と来季の展望を口にした。
この日、バスケットボール部は学校の体育館でリーグの公式戦があり、3人の助っ人は試合後すぐにグラウンドに駆けつけ、今度はサッカーの試合に臨んだ。
そのうちのひとりで、GKを任された新垣テヌル(3年)は試合前日に1度だけ練習して本番を迎えた。「シュートをできるだけ止めてやろうと思いました。きのうはいろんなシーンを予想してチームメートが親切に教えてくれたんです。でも、バックパスを手で取れないルールは知らなった」と苦笑しながら頭をかいた。
後半10分にその反則から間接FKを与えて失点。それでも貴重な経験をしたことに喜びを感じたようで、「バスケと違ってサッカーの時間は長く感じたけど、すごく楽しかったし試合の後に監督さんから『ありがとう』と言われてうれしかった」といつまでも笑顔を振りまいていた。
(文・写真=河野正)
▽第105回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第105回全国高校サッカー選手権埼玉予選

