都立町田vs麻布

 なぜ守り切ることができたのか。

 DF4中平は「交代枠を使いながら、全員で守れました。周りにも助けてもらったし、全員がカバーしあって、最後まで守り切る意思がゼロにつながった」と胸を張れば、2アシストのMF6川戸は「最後は気持ち。運が少しだけこちらに傾いたかもしれません」と謙虚だった。またGK22五十嵐は「まずは守備からというのがチームの方針。守備には自信があります。僕たちはお互いに足りないところをカバーしながら長所を伸ばしていくスタイル。得意の守備が最後までできたのが要因」と説明した。

 お互いをカバーしながらというのは、まさにそうだった。何度もサイドを崩されても最後まで食らいつく、あるいは身体を張った守備で踏ん張った。この頑張りが3点目につながった。

 都立町田イレブンからは自主性に富んだ雰囲気を感じる。

 阿部耕二監督は「トップダウンで指示を出すのではなく選手たちに勝つために何が必要なのか、考えさせるやり方」と話すように、ハーフタイムの際、阿部監督は指示をひとつふたつ出した後はベンチの隅から話し合う選手の様子を眺めていた。

 この自主性は普段のトレーニングにも反映されている。都立町田の練習時間は実質1時間しかない。限られた時間のなか、チームは基礎を徹底するとともに、その応用として、オープンスキル(外的要因に大きく左右される.不安定な環境で行うスキル)を身に着けている。今回の試合でも日頃の成果がいかんなく発揮されたといえる。

 第102回大会以来のブロック決勝進出の都立町田イレブン。相手は都立三鷹中等となった。

(文・写真=佐藤亮太)

▽第105回全国高校サッカー選手権東京予選1次予選
第105回全国高校サッカー選手権東京予選1次予選