
明治学院 vs 都立片倉
こうした全員参加のサッカーを、本宿監督は「肉を切って骨を断つ作戦」と表現する。個の能力で剥がされる場面もある。それでも選手たちは、そのリスクを理解した上でこのスタイルに取り組んできた。守備を固めて相手を待つのではなく、ボールへ向かって全員で動く。そこには、3年間かけて積み上げてきた片倉の考え方がある。
3-0という結果にも、都立片倉には課題が残った。キャプテンのDF5禧久翔平は「無失点で5ゴールという目標で行った。決められる場面はもう少しあった」と振り返る。2点目を決めた白須も、普段よりロングボールが多くなり、細かくつないで中央を崩す場面が少なかったことを課題に挙げた。それでも、前線からのプレスで相手にボールを蹴らせ、中盤と最終ラインがセカンドボールを回収する狙いは機能した。
部員15人という環境の中で、都立片倉は3年間このサッカーを積み上げてきた。GKの岡崎も入学当初は高いラインの背後へ出ることに苦労したという。それでも失敗を重ねながら練習を続け、今では自分の判断で前へ出られるようになった。「今こうやって形にできて嬉しい。楽しい」。岡崎のその言葉には、3年間の積み重ねが詰まっている。
3年生にとって、この大会は負ければ終わりとなる。だからこそ都立片倉は、最後まで自分たちのサッカーを変えない。まずはブロック決勝で駒場東邦を相手に再び無失点勝利を目指す。その先にある都大会出場へ向けて、11人で攻め、11人で守る。3年間かけて作ってきた「片倉スタイル」をこの先も貫き通す。
(文・写真=西山和広)
▽第105回全国高校サッカー選手権東京予選1次予選
第105回全国高校サッカー選手権東京予選1次予選

