T2リーグ昇格に向けて大事な中盤戦、T3リーグBブロック第5節早稲田実業と東京成徳大高の一戦が人工芝のピッチ、大井ふ頭中央海浜公園スポーツの森第2球技場で行われた。前夜の台風の影響は全くと言っていいほど感じさせないものの、にわか雨が心配される空模様の中キックオフを迎えた
まずはここまで2勝1敗1分けで勝ち点7といまいち波に乗り切れていない東京成徳大高。4-5-1のフォーメーションを組んで臨んだ立ち上がり、早い段階で縦へとロングボールを供給するロングカウンターでペースを握る。トップ下のポジションを務める、主将10番山口泰を起点にゴールへ迫ると5分、左サイドのスローインから中央へ。混戦から7番本田達也が上手くゴール前に持ち出してGKと1対1の状況を作り出すと、これを自ら落ち着いて決めて早々と先制。強引にでもゴールに向かう積極性がもたらした先制点であった
一方、大事な試合の立ち上がりで失点を許してしまった早稲田実業。失点シーンに象徴されるように浮足立つDFが対人での弱さを露呈する場面が目立った。それでもチーム全員で声を掛け合い、同点ゴールを狙う早稲田実業は9分、右サイドで右MF9番藤沢和也が粘り中央10番直江健太郎へ。ファーストタッチでDFラインの裏のスペースに抜け出すとやや角度のないところからのシュートはGK正面を突いた。
16分にはビックチャンス。右CKの流れからファーサイドで11番がヘディングシュートを放つが惜しくもバーに嫌われ同点とはならなかった。
早稲田実業がなかなかゴールを奪えないでいると、東京成徳大高に久々のチャンスが訪れる。左サイドを攻め込むとペナルティエリアやや外でファールをもらい、絶好の位置でFKを獲得。ほぼ45度の位置から10番山口泰が壁の間を抜く巧みなシュートを狙うと左ポストに当たりながらもゴールへと吸い込まれた。
少ないチャンスを決めきる決定力を見せつけ2点リードし、なおも攻め手を緩めない東京成徳大高は25分にも追加点。この試合何度も好機を演出してきた10番の縦パスから7番本田達也がゴール前フリーでターンから左足を振り抜く。ゴール右隅へと決めて3対0とリードを広げた。
3点のビハインドが重くのしかかる早稲田実業のポイントは4-5-1と中盤を厚くする形で臨んだ布陣。ボランチの2枚と、1,5列目の7番のところで攻撃を組み立てたいところであったが、守備に追われる時間が長く、前線への押上げに遅れが見えた。そのため、ワントップを張る10番直江健太郎も孤立する場面が目立つなど追いつくにはやや厳しいチーム状況が続いた。
3対0。東京成徳大高の狙いがはまった前半が終了。勝負の後半戦を迎える。後半に入ると早稲田実業が左サイドを中心にゴールへ迫っていく。47分には、この試合初めて左サイドを崩してクロス。ゴールには結びつかなかったものの反撃のきっかけとなる形を作った。