前半もう一つの得点は前橋育英に生まれる。この日何度も左サイドを持ち前のスピードで相手を苦しめているMF8番五十嵐理人がスピードを生かして追加点を奪う。22番榎本樹がDFラインの裏にスルーパスを送ると並走したDFを振り切りGKとの1対1を冷静に流し込み相手を引き離すゴール。前半は3-1で前橋育英リードで折り返す。

 後半、早い時間で得点が欲しい上田西はDFラインの背後を狙ったロングボール狙いゴールに迫るが、前橋育英CB3番角田涼太郎と松田陸を中心とした守備でチャンスを与えない。63分、前橋育英が中央からの縦パスを22番榎本樹がうまくタメを作り、8番五十嵐理人に落とす。ワントラップで目の前のDFをかわして放ったシュートはDFに当たりコースが変わるもネットを揺らして五十嵐理人が今試合2得点目を上げる。更に85分10番飯島陸が今大会7点目となるゴール。ロスタイムにもMF27番釣崎涼介が粘り強いドリブルから追加点を奪いスコアを6-1とする。

 上田西は最後までゴールに迫ろうとするが、集中を切らさない前橋育英の前に得点をあげることができず、タイムアップの笛が鳴り試合終了。全国2校のみが立てる決勝の舞台に立つもう1校は前橋育英に決定した。前橋育英は前大会の悔しさを歓喜に変えることができるのか。8日の決勝で同校は夏の王者、流通経済大柏に挑む。

(文・佐々木竜太 写真・金澤涼雅)