6月22日、雨の中決勝を迎えた、高校サッカー総体、平成26年全国高校総体東京都大会は駒澤大学高等学校の初優勝で幕を閉じた。4月20日に開幕した支部予選から決勝までの激闘の2ヶ月間。様々なチーム、選手が躍動し、それぞれに雄姿を見せてくれた。その戦いを少し振り返ってみよう。

■強豪校の相次ぐ敗退

肩を落とす國學院久我山イレブン(vs国士舘より)

 駒澤大学高等学校の優勝の陰で優勝候補のあっけない敗退が目立った今大会。T1リーグに所属し一昨年の選手権で全国出場を果たした実践学園は、相手が悪かったと言えばそれまでだが、結果的に準優勝を収めた成立学園に1次トーナメントで敗れた。こちらも全国を目指した帝京も、東海大高輪台に1次トーナメントで足元をすくわれ早くも去る結果となった。
 続く2次トーナメントでも注目の高校が次々に敗退。昨年の選手権で全国出場し、ベスト8まで勝ち上がった修徳は1回戦で関東一の前に破れ、そしてプリンス出場校、絶対王者國學院久我山国士舘に番狂わせを演じられ、まさかの準々決勝敗退となった。

■都立野津田の躍進

野津田スタイルが大会を席巻!(vs都立駒場より)

 強豪校敗退の一方で勝ち上がりを見せたのは都立野津田。ボールを大事にする「野津田スタイル」を徹底することで知られている。支部予選から勝利を積み重ね、2次トーナメント進出。1回戦でこの大会好調だった東海大高輪台をPK戦の末破りベスト8入りを果たすと、準々決勝では関東大会覇者都立駒場と激突。2対4で惜しくも敗れるも、先制点を奪うなど強豪相手に善戦した。
 自分たちのやるべきことを貫くサッカーを披露し、東京の高校サッカーファンの話題をさらった都立野津田。次に始まる選手権での活躍にも期待できる躍進であった。

【次のページ】 全国への切符を手にした2校