佐々木:ところで大変ですか、高校生を教えるのは?
竹原:まあね。でも20数年やっているから、先輩たちもわかっているし、後輩はそれを見てやる。
佐々木:いい循環ですね。素直な子たちなんでしょうかね。どういうところに気を付けて指導しているんでしょうか?

竹原:素直だよ。ただやっぱり外に出るとどうしてもサッカーも含めて遠慮しちゃう。
基本的に真面目な子でおとなしいから、戦いとなるとやっぱり少し怖気づいちゃう。だからそういうのを変えていかないといけない。
さっき挨拶の話が出たけど、そういうところからやっていこうと。「ここの学校きっちりしてるな」って見られれば相手も構えてくれると思うし、でも「なんだこの学校弱っちいなー」って思われたら、ただでさえ弱いのにさらに弱さを見せちゃうからね。
あとはこの子たちが続けられるか。勉強もありますからね。父母会を作ってもらって話しています。子供たちが一生懸命やっていれば親も協力してくれるし。でも受験して入ってくるからサッカーばかりに時間をとられてもダメだって。

佐々木:進学校の難しさですね。
竹原:そうそう。あとはいろんなところ連れ歩く。「あ、強いチームはこうなんだ」とか、「でもその中でオレたちもはこれくらいやれるんだ」ってこともわかるしね。だから遠征とかけっこういろんなところ行くんだよ。この前の合宿は熊本行ってきたし。

佐々木:すごい(笑)
竹原:大津とやるはずだったけどインターハイで優勝したから、東海大星翔って準優勝したチームとやって。そうやってどんどん、普段遠慮しないように色んな環境に連れていく。

佐々木:今スタッフさんは何名ですか?
竹原:2名。中学は中学の人がやっています。今まで10何年間はずっと中高ひとりでやってきたから、中学がやる時は高校を休みにして、っていうような感じで。

佐々木:大変ですね(笑)
竹原:大変だったね。
佐々木:スタッフが2名っていうのも少ないですね。
竹原:でもまあ人数少ないしね。遠征の時とかはトレーナーにお願いしたりしてます。

佐々木:少し早いですけど、どうですか今年のチームは。雰囲気とかは?
竹原:雰囲気はけっこうみんなでしゃべったりしてできている。でもまだ自信はなくて半信半疑っていう感じだね。やっぱり結果が出さないとなかなかね。変わっていかないところだから。先輩たちが残してくれたものを、今度は自分たちが作っていかないといけない。まあ新人戦も苦しんでましたからね。

佐々木:そうなんですね。リーグ戦は?
竹原:この間最終節が終わって、一応1位なんだけどうちはまだ地域の3部リーグ。今度上がれば2部。人数がこれだけになって参加し始めたけど前はトーナメントだけ。今は少し人数がいるから経験の場としてやれたらいいなって。試合をさせてあげないと子供たちは変わらないしね。

都内の進学校ならではの苦労もありつつ、様々な工夫で乗り越えているようです。サッカーだけでなく、その後の人生にも役立ちそうな良い環境を作り出していらっしゃるんですね!選手達もそんな中でのびのび出来るから楽しそうなんでしょうね。
では続いてそんな素直で真面目な選手たちの素顔を覗いてみましょう!

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