4月1日、有識者懇談会や全閣僚会議などを経て菅義偉官房長官が記者会見を行い、平成に代わる新元号を「令和」と発表した。このあと、安倍晋三首相が正午頃より記者会見し、談話を公表する。元号はこれまで中国古典を出典とする伝統を踏襲してきたが、今回は日本古典(国書)を初めて引用した案を採用するかどうかにも注目が集まっている。
今回は明治以降の憲政史上初めてとなる退位に伴う改元。30年と113日続いた「平成」は、今月末日の天皇陛下の退位と共にその歴史に幕を閉じる。日本経済から見れば、戦後、1950年に勃発した朝鮮戦争に伴って日本にもたされた朝鮮特需を皮切りに、紆余曲折ありながらも、約40年間にわたって経済成長が続いた昭和時代に比べると、1989年(平成元年)12月29日の大納会に史上最高値となる3万8915円をつけ日本中が空前の"バブル景気"に沸いたその刻をピークに右肩下がりを続けた平成時代は「衰退」の時代に映る。
その一方で、日本サッカー界からみれば平成は大躍進を遂げた時代だった。Jリーグが1993年(平成5年)にスタート。サッカー日本代表は1998年(平成10年)フランス大会で悲願のワールドカップ初出場を決めると、それ以降は連続で本大会出場を決め16強入りも果たした。遠かった海外クラブへの日本人選手の移籍は今では日常のモノとなった。勿論、昭和時代の先人たちの功績があるわけだが、日本サッカーの歴史は平成と共にあったといっても過言ではない。
そんな平成時代が今月末で終わり、新たな時代へと突入する。これから始まる新時代がどうか、明るい時代であることを願いたい。