昨冬の選手権は日本一 浦和内定の武田英寿(青森山田)

 “高校生版オリンピック”とも呼べる全国高校総体。今年は南九州で開催され、サッカー競技は男女ともに沖縄を舞台に争われる。男子の開幕は7月26日。今年度から出場校数が変更となり、埼玉、千葉、愛知の出場枠が2校から1校となった。その中で47都道府県の52チームが酷暑や連戦の疲労とも戦いながら、8月1日の決勝を目指す。

 大会の行方を占う中で、優勝候補の筆頭はプレミアリーグEASTで首位を快走する青森山田(青森)だ。今年度も攻守に役者を揃え、14年ぶりの覇権奪回を虎視眈々と狙っている。攻撃の核はシャドーを務めるJ1浦和入団内定の武田英寿(3年)。U-18日本代表でも活躍するレフティは相手の虚を突くラストパスと類まれなボールキープでチャンスを演出し、隙あらば自らもゴールを狙う。脇を固める人材も充実しており、1年生ながらレギュラーの座を掴んだ2列目の松木玖生や点取り屋の田中翔太(3年)も侮れない存在だ。一方、最終ラインの要は2年生のCB藤原優大。得意のビルドアップだけではなく、空中戦でも強さを発揮できるようになり、名門校の堅守を支えている。

 盤石の布陣で大会に挑む青森山田。ただ、気になるのはコンディションだろう。比較的涼しい青森を拠点にしており、沖縄の気候に適応できなければ厳しい戦いを余儀なくされる。しかも、今大会は1回戦から好敵手・前橋育英(群馬)と合間見え、勝ち上がると2回戦で同じく優勝候補の大津(熊本)と対戦するだけに序盤戦からタフなゲームになるのは明白。「初戦から前橋育英という良い相手とできる。2回戦が山だと思うので、きつい戦いだけど全員でしっかりと戦って勝ちにいきたい」と武田が話す通り、選手の体調も含め、この2試合をいかに戦うかが勝ち上がるポイントになりそうだ。

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▽令和元年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和元年度全国高校サッカーインターハイ(総体)