立正大淞南MF山田真夏斗(写真=森田将義)
両校の勝者と3回戦で対戦する権利をかけた組み合わせも魅力的なカードが揃う。インターハイ準優勝の富山第一(富山)とMF山田真夏斗(松本内定)擁する立正大淞南(島根)は、高校サッカー好きにお薦めしたい一戦だ。共にトリック満載のセットプレーが持ち味のチームだが、淞南の南健司監督いわく相手を戸惑わす仕組みは大きく違うという。そう来たか!と驚きながらも、両者の違いを読み解くのも楽しみの一つかもしれない。MF渡邉綾平、櫻井辰徳を筆頭に今年もタレントが揃う前橋育英(群馬)とエースのMF濱屋悠哉を中心に魅せて勝つサッカーを志す神村学園(鹿児島)のカードも最後まで見逃せない展開となりそうだ。
Aブロックの反対は、各地域で存在感が増す注目校が揃う。インターハイに続いて初出場の専大北上(岩手)は、地元の有力クラブ・ヴェルディSS岩手の出身者が多く、パスワークに定評があるチーム。彼らと対戦する創部7年目の龍谷(佐賀)も、FW又吉耕太と松尾亮汰の2トップが果敢にゴールへと襲い掛かる迫力溢れる攻撃が光る。開幕戦のカードである國學院久我山(東京B)と前原(沖縄)の組み合わせは、類まれな得点力を持つ久我山のFW山本航生を、主将のMF平川龍を中心とした全員の走力で封じられるかがポイントになりそうだ。
近年多数のJリーガーを輩出する昌平(埼玉)と興國(大阪)の一戦も忘れてはいけない好カードだ。両校ともにプロ注目の逸材が多く並ぶ中でも特に注目して欲しいのが、2年生10番の対決。緩急をつけた突破からのパスとシュートが光る昌平のMF須藤直輝に対し、興國のMF樺山諒乃介は力強い突破から放つ左右両足でのシュートが売りだ。試合の行方と共に、来年の高校サッカーの顔をかけたバトルからも目が離せない。
(文・写真=森田将義)
第98回全国高校サッカー選手権