子ども達が数年後には大人になります。
そんな彼らが新型コロナのような出来事が起きても逞しく社会貢献している。
もしくは新型コロナのような出来事が起きない社会を作り出せるように社会人として貢献している。
プロサッカー選手になった子も、様々な職業に就いた子も社会に貢献できる人間に成長できるように子ども達と関わることをサッカー指導者が自覚し誇りを持つ。
それがスポーツ,サッカーと社会への繋がり方であり、私達サッカー関係者の社会貢献ではないかと思います。
それを実現するためにも子ども達の「こころ」を育むことが大切であることを言いたいのです。
押しつけた躾をすることではありません。スポーツ,サッカーは遊びの延長です。
子ども達がこころに余裕を持って楽しいと思える環境を作って行くことで人間性が育っていくと思います。
もちろん楽しいとは楽(ラク)をすることではありません。
子ども達が真剣に取り組める環境を作る事も大切です。
きっとそれはJリーグでも大人のサッカーでも今まで以上の社会への繋がり方があると思います。
そんなことは今までも取り組んでいると一蹴しないでください。
サッカーと教育を一緒にするなと言わないでください。
携わっている皆さんに素直に受け止めて欲しいと願います。

誰もが想像していなかった東京オリンピック開催すら延期させた未曾有の新型コロナウィルスは人類のそしてスポーツへの警鐘です。
スポーツ,サッカーも今一度、原点を見つめ直せる大きなチャンスだと思います。
ビジネス化が進み、情報化が進み、子ども達の遊びの部分にも大人達が介入してきたサッカー。
激流から、隠やかな流れの社会に、もっともっとゆっくりと時間が流れるように子ども達の「こころ」が育まれる時間を作ってあげなければならないと感じています。

紀元前からいつの時代も芸術が人類にとってかけがえのない人々の心の支えであり続けたように。
スポーツもそうあり続けられるように。
フットボールが社会と空気の存在のような関係になっていくことを望みます。

(文・写真=田畑雅宏)

▽第98回全国高校サッカー選手権
第98回全国高校サッカー選手権