MF吉田陣平(佐賀東/2年)写真=森田将義
MF吉田陣平(佐賀東/2年)
攻撃センスの高さは、高2年代の中でも際立っている。足元の技術と判断力に優れたアタッカーで、相手の逆をとりながらドリブルでゴール前まで進むプレーが真骨頂。「イニエスタとメッシが混ざったパスもドリブルもできる選手になりたい」と話す通り、仕掛けの一辺倒にならずパスで決定機を生み出せるのも強みだ。
幼少の頃から、フットサル指導にも力を入れる新潟のクラブエフスリーでプレーし、個の技術を磨いた。同時に、松本諭之氏(現・佐賀東コーチ)からドリブルの指導を受けた結果、県屈指のテクニシャンとして知られる存在になった。中学を卒業する際には、「自立することしか考えていなかったので、県外に出ることしか考えていなかった」と親元を離れようと決意。日本一の経験を持つ複数の高校からも誘いを受けたが、松本コーチの下でのプレーを望み、佐賀東を選んだ。
昨年は主力ボランチとして、選手権予選を戦ったが現状に満足していない。今年1月には、3週間のフランス留学を実施。社会人のアカデミーとフランス6部のチームの練習を掛け持ちし、ワンランク上の選手になるためのヒントを得た。「日本と比べてフィジカルがまったく違った。相手とぶつかる経験をできたのは良かった」。勝負に拘るヨーロッパの選手のプレーに触れ、自分の持ち味を発揮するため自己主張やコミュニケーションの重要性にも気付いたという。ただ上手いだけの選手でなく、常に上を見続ける向上心も彼の強みだ。今後は更に多くの人が彼の名を知る日が来るだろう。
(文・写真=森田将義)