FW判治海斗(鵬学園/3年)写真=森田将義
FW判治海斗(鵬学園/3年)
今はまだ”知る人ぞ知る”存在だが、活動が本格してきたこれからは知名度が大きく向上する可能性が高い。最大の特徴は、小学校時代に掛けっこで負け続けるのが嫌で朝練を続けた結果、中学に入って急激に速さを増したというスピードだ。50mのタイムは6秒4で、「そんなに速くはないけど、ボールが前に出ればスピードが速くなる」。ボールに触れてからは、力強い突破で強引に相手の守備を割って入り、ひたすらにゴールへと突き進む。決して華麗なタイプではないが、野性味溢れる突破で、観客を魅了できるアタッカーだ。
元々は愛知県出身だが、中高共に1年生先輩のMF永田貫太(現・中京大)に「鵬学園はお前に合っている」と薦められ、能登の新興である鵬学園への進学を決意した。「高校では親元を離れて、色々と自分で頑張ろうと考えていた」ものの最初は洗濯など寮生活に戸惑ったが、周りに支えられ、すぐに順応。ピッチでも持ち味を発揮し、1年目から出番を得ると、2年目の昨年は選手権の舞台にも立った。
全国での活躍は果たせなかったが、高校最後の年を迎えた今年は飛躍の予感が漂う。コロナ禍での活動自粛中は、チーム全体での体幹トレーニングに加え、YouTubeの動画を参考に筋トレを実施。活動再開後の試合では倒されそうになってもグッと堪えたり、倒れても素早く立ち上がれるようになった。2年連続での選手権出場は彼のプレーにかかっていると言っても過言ではないだろう。(文・写真=森田将義)