MF小宅空大(帝京大可児/3年)写真=森田将義

MF小宅空大(帝京大可児/3年)
 決してプレーに派手さはないが、チームにいないと困る存在だ。中学3年生でメンバー入りを果たした2016年度から、早生まれとして挑んだ2018年度のチームまで3年連続で岐阜県の国体選抜に選ばれてきたことからも、彼の重要性がよく分かるだろう。

 多くの指導者に重宝される理由は、高い予測力を活かしたボールハント力だ。「攻めている時も、相手がボールを奪ったらどこに出したいか考えながらポジションをとっている。セカンドボールへの反応も含めて、相手が嫌がるプレーを続けて行きたい」。実際に試合を観ると、相手がチャンスを作りそうな瞬間に尽く顔を出し続ける小宅の姿が目に留まる。

 長所が目を惹く一方で、昨年までは課題も明確だった。国体選抜では主力として期待されながらも、帝京大可児では組み立て能力の向上を更なる求められた。Bチームでも試合に出られない時期が続いたが、「長所を伸ばしながら、短所をできるだけなくしていかないといけない。悔しい思いはめちゃくちゃあったけど、諦めたら何も変わらない。前向きに頑張ろうと思った」。そう振り返る小宅は、自主練でパス練習を徹底。努力が認められ、選手権の登録メンバーに滑り込むと、1回戦の大手前高松戦では、途中出場でピッチに立った。守備センスの高さだけでなく、課題を認めて努力し続けられるのも彼の強みだ。

 今年に入ってから試合では、ボール奪取後に積極的に縦パスを狙う小宅の姿が印象的だった。公式戦が再開する9月以降は、守備職人としてだけでなく、攻撃でも貢献し続け新たな姿を見せてくれるだろう。

(文・写真=森田将義)