島野怜(仙台育英3年)

 高校年代のサッカーシーンにおいて夏の檜舞台と言えるインターハイ。そのピッチには、全国から選ばれし精鋭たちが集う。2年ぶりの開催となる令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)の開幕を前に、大会に旋風を巻き起こす注目の選手たちを紹介。今回は超高校級プレイヤーからNo.1ボランチ、屈指のドリブラー、視野の広い司令塔など珠玉のMFたちをピックアップした。

■MF
松木玖生(青森山田3年)
高校生とは思えないほどのメンタリティーを持つ選手で、力強く積極的に攻守に顔を出す。高校ラストを迎えた今年は、これまで以上に結果に拘っており、インターハイを想定した7月末の和倉ユースでも貴重な得点をマーク。本番でも、醸し出すキングの風格に相応しい順位を狙いに行く。

宇野禅斗(青森山田3年)
的確な読みを活かしたボールハントは一級品。奪ってからも、ロスのない散らしで攻撃のリズムを作れる。パートナーを組む松木との連携も見事で、そのプレーは高体連No.1ボランチと言っても過言ではない。今年は周りの良さを引き出す働きにも力を入れている。

島野怜(仙台育英3年)
184cmの高身長と攻撃センスを備えたボランチ。昨年度の選手権でハットトリックを達成し、一躍その名を全国に広めた。今年に入ってからは組み立てからフィニッシュまで攻撃の全てに絡む回数が増えており、プレーからは貫禄すら漂う。

笠柳翼(前橋育英3年)
ドリブルの切れ味は、今年の高校年代ではトップクラス。推進力溢れる突破に加えて、パスで味方を上手く使いながら、サイドを崩してフィニッシュまで持ち込める。今年5月には初めての世代別代表を経験。Jクラブの練習にも参加するなど、注目度は高まっている。

玄理吾(静岡学園3年)
見ていてため息が出るほどの上手さを持ったプレーメーカーだ。止める・蹴るの技術が高く、3列目でボールを受けると華麗なターンで相手のプレスをいなして前進。パスセンスも高く、攻撃のリズムを作りつつ、決定的なスルーパスも繰り出せる。

森田大智(大津3年)

真田蓮司(東山2年)
サイズは小柄だが、試合で見せる存在感は絶大だ。判断力に長けたボランチで最終ラインからのボールを的確に散らしつつ、巧みなターンでプレスを無力化することもできる。ひ弱な印象があった昨年と比べ、今年はフィジカルが身に付き、プレーにタフさも出てきた。

佐野航大(米子北3年)
元々、テクニックには定評のある選手だったが、フィジカル強化の甲斐あって、プレーの力強さがアップ。中心選手としての自覚も高まり、試合の行方を決定づける選手へと変貌を遂げた。複数のJクラブが注目しており、就活の場でもある今大会での活躍が期待される。

林晴己(高川学園3年)
ボールを持ったら簡単には止められない。ドリブルに絶対的な自信を見せるアタッカー。スピードに乗った突破で縦をえぐりつつ、相手が対策してきたら味方へのパスやシュートを選択できるのも彼の強みで、今年3月にはJクラブの練習参加も経験した。

森田大智(大津3年)
テクニックの高さとアイデアに長けた司令塔で、帝京高で技巧派として鳴らした平岡和徳総監督が自身の現役時代と姿を重ねる選手だ。華麗なタイプだが、負けん気が強く、アグレッシブかつ粘り強い守備でもチームに貢献できる。

大迫塁(神村学園2年)
高精度の左足キックと視野の広さが光る司令塔だが、本人が自信を見せるのは守備の部分。ボール奪取からの配球で、攻撃のリズムを作り出せる好プレーヤーだ。高校2年目を迎えた今年は得点への意欲も増しており、勝利を引き寄せる働き

(文・写真=森田将義)

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)