反対の山は神村学園(鹿児島)が頭一つ抜けている。今年は複数のJクラブが熱心を送るMF名和田我空(3年)を筆頭にDF新垣陽盛(3年)、MF大成健人(3年)とタレント揃い。FW日高元(2年)ら下級生の台頭も著しい。プレミアリーグWESTの前期は失点が嵩み、勝点が伸び悩んだが、持ち前の攻撃力を発揮し、9節から3連勝して前期を終えたのも好都合だ。ただ、有村圭一郎監督が「1回戦だけは分からない。力があって勝てなかったりする」と口にする通り、蓋を開けてみないとどうなるか分からないのがトーナメントの難しさ。3大会ぶり9回目の出場となる西目(秋田)、27大会ぶり9回目の出場の高知小津(高知)は“打倒・神村学園”を掲げ、番狂わせを狙っている。

 この山には「うちでは一番インパクトのある選手だと思う」と高橋裕之監督が評する東京都市大塩尻(長野)のMF市川響己(3年)や、仙台育英(宮城)の攻撃を司るMF黒葛原結天(3年)、予選決勝で2点を奪い共愛学園(群馬)を初出場に導いたMF中野一颯(3年)など実力者が名を連ねる。今大会の躍進次第では注目を集める存在になりそうだ。

 (文・写真=森田将義)

▽令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)