東海大諏訪女子サッカー部 安藤昌和監督

 現在、松商学園・佐久長聖に続く長野県の高校女子サッカー第3勢力として台頭している東海大諏訪女子サッカー部。その指揮を執るのは長野県国体少年選抜、創造学園(現:松本国際)、そして東海大三高(現:東海大諏訪)で男子サッカー部のコーチを務めた安藤 昌和(あんどう・まさかず)氏である。

 昨年47歳にしてはじめてとなる女子サッカー指導、そして監督の道に踏み込んだ安藤氏。これまでのサッカー履歴や、女子サッカーとの出会いで学んだこと。そして「東海大諏訪女子サッカー部」でサッカーをすることの意義を語った。

一歩踏み出すきっかけになった「前園真聖さんの言葉」

 私は1972年生まれ・愛知県三好町(現在のみよし市)の出身です。地元の中学でサッカーをはじめて、愛知県立豊田西・信州大ではFW。卒業後に長野県の中学校で男子サッカーを教えはじめました。

 指導者として大きなきっかけになったのは2006~2007年に国体少年長野県選抜のコーチとして国体に行かせてもらい、2011年にA級ライセンスを取得した時。その前に2000年から2004年まで指導させてもらった戸倉上山田中では県大会にも出場できるくらいうまい選手がいて、U-15県選抜のコーチをする経験もさせて頂いた。ここでサッカーにのめりこむことができたことが、後々すごく活きてきました。

 A級ライセンスは長峰中の教員をしていた時に受講したんですが、同期でいらっしゃったのが前園真聖さん(元日本代表)、三浦文丈さん(現:J3:SC相模原監督)、星川敬さん(なでしこリーグ:INАC神戸元監督)でした。そして講習の最後に「また、逢いたいですが僕は中学校教師なのでこれが最後ですかね」と私が言ったら、前園さんが「いや、また絶対逢えるよ」と言って頂いたんです。「ならばチャレンジしてみたいな」と思ったタイミングで創造学園高(現:松本国際高)の監督だった勝沢 勝監督から声をかけて頂いたんです。

 こうしてコーチに就任した2012年に創造学園はキャプテンの宮下周歩(元:松本山雅FC)や当時2年生だった堂安律(ドイツブンデスリーガ1部・ビーレフェルト所属/日本代表)の兄・堂安憂の活躍があって、地元開催だったインターハイに続く初の全国高校サッカー選手権出場を決めました。そして選手権1回戦の解説は前園さん……。縁を感じました。

【次のページ】 「コイツらすごいなあ」と思わせた東海大諏訪女子サッカー部