―――まずは奈良クラブを選んだ理由を教えて頂けますか?

 JFLと社会人のチームで他にもお声を掛けて頂いたチームがあって、凄くいい条件も出していただいたんですけど、やっぱり育成が自分には合っているのかなというのと、一番は社会人でもJFLでも勝たないといけないというのがあって、今の自分にはまだ早いのかなと。小学生を教えに行ったり、よその高校に教えに行ったりしていた中で、サッカーの指導者としてもうちょっと勉強したいなという気持ちもあって。とはいえ、「どこで誰に学ぶねん」というのもあって、そういうことを考えている時に濵田さん(株式会社奈良クラブ代表取締役社長)からお誘いをもらったんです。

 ダリオ(・ロドリゲス・マンチャ)というスペイン人の監督がいるので、ユースの監督にはならないだろうというのが一番決め手でした。コーチという立場になって学べるし、スペイン人だったら僕に気を使わないだろうと。(興國で)ずっとスペインっぽいサッカーをやってきた中で、リアルなスペイン人に触れたいというのもあったし、ダリオは昔から知っていてすごい優秀なのもわかっていたので、得るものがいっぱいありそうだなというのが一つ目。

 二つ目は、濱田さんが奈良クラブから古橋みたいに世界で通用する選手を育てたい。そのためにはエコノメソッドでスペイン人に良いサッカーをやってもらっているけど、そこにスパイスとして個人技に特化したもの。やっぱり日本人には指導の中でそれが必要だと。だからそういう意味でも、一緒にそういう選手を育てたいと言ってくれたので、自分のやりたいことの二つ。勉強と育成。新しいスペインサッカーをより学びたいし、世界に通用する選手も育てたいし。自分がずっとこだわってやってきた事が一番できるなと。それで決めました。

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