昌平の藤島崇之監督

 強化をスタートさせ、早10年。近年、高校サッカー界で存在感を示しているのが埼玉県の昌平だ。2016年にインターハイで初出場ながらベスト4に入ると、2018年にも同様の結果を残した。そして、記憶に新しいのが昨年度の高校サッカー選手権だ。

 興國や國學院久我山を撃破し、初めて8強に進出。青森山田に敗れてベスト4入りは逃したものの、準々決勝で3点ビハインドから2点を取り返した戦いは人々の目に焼き付いた。

 高い技術力を生かした攻撃的なサッカーは、いかにして作り上げられたのか。チームを率いる藤島崇之監督に話を伺った。前編はチームの歩みやスタイルを構築する上で重要視しているポイントについてお届けする。

――指導をする上で大切にしているポイントを教えてください。

 判断です。そこで大切なのは判断基準の置き方で、ボールを保持するための判断がポイントになります。スタッフが考えるべき点でもありますが、サッカーに正解はありません。相手によって、やるべきプレーやプレスのスピードも変わります。ゴールに向かってスピーディーに攻めるのか、ゲームを落ち着かせるのか。技術も大切ですが、判断力に集約されると考えています。ボールを扱う技術だけを見れば、もっと上手い選手もいます。ただ、うちは全国トップレベルの選手が集まっているわけではありません。ボールを扱う技術に加えて、(ボールを保持するために)判断力を発揮できるのか。それがゲームにおいて、貢献度が高い選手だと思います。

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