ーー次のプレーを考えながら「ファーストタッチ」をするのは初めて見ると最初は難しい部分があるかもしれないですね。
初心者は止めることに必死になり、止めると同時に意図を考えることは容易ではありません。それをジュニア年代から指導しておいて習慣化すればさほど難しくはないです。僕はその意識レベルが「無意レベル」にまでなることが必要だと考えています。よくヨーロッパのサッカーが「すごいね」と言われますが、僕から見たら「ファーストタッチ」のレベルの差だと考えています。簡単に言えばヨーロッパは「次のプレーを考えたら、そこに止めるよね」。日本は「そこに止めて、次どうすんねん」。ここに差があるんです。だからヨーロッパ、南米はカウンターアタックにも日本よりもほんの数秒の差が「意図」があるんですよね。
ーーその象徴的なシーンが、2018年サッカーW杯決勝トーナメント1回戦・日本対ベルギー戦でベルギーが後半アディショナルタイムのカウンターで奪った決勝点というわけですね。
そういうことです。
「ゴールを奪うため次に何をするか」でプレーは変わる
ーーでは「高校サッカードットコム」を見ているプレーヤーが必要な「ファーストタッチ」の段階について教えてください。
ではジュニア年代から理解すべき段階を説明していきましょう。ジュニア年代では止める技術に加えて「次に何をするか」を考えてプレーするためのファーストタッチができれば理想ですけど、ジュニア年代ではそれが段階的にできればいいと思います。
そこからはプレーの目的ごとにファーストタッチの意図も変わってくるし、目的によってファーストタッチだけでなく、取るべきポジショニングも変わってくるので、そこを常に考えてプレーすること。 だからカマタマーレ讃岐でもやっていることは「ゴールを奪うために何が必要か」を最初に、目的に考える。そこでどのように点を取るのか、ファーストタッチとポジションをどのようにするかを常に選手に考えさせています。