県制覇の鹿島学園(写真=矢島公彦)

ーーそのスペインへ今年も世界がコロナ禍になる前に行かれたようですが、改めてスペインのサッカーを経験することで学んだことはありますか?

遠藤:チームとしてはスペインの選手は本当に賢いですし、世界は「自分で考えて行動する」ことが主流になっているので、自分たちもミーティングを増やしましたし「自分たちで考えて行動しよう」ということは常に言っています。個人としては対人が強いだけでは大学・プロでは通用しないので、ボールを大事にすることが上手なスペインの選手から学んで、今年取り組んでいるポゼッションにも活かしていけていると思います。

鈴木監督:スペインには今年も2月に遠征に行って18年連続18回目になりました。さらに3年前からはビジャレアルとも提携して開催している中、選手もそうですが指導者の私たちが学びを得ています。現在はJリーグの理事をされている佐伯 夕利子(元ビジャレアル育成スタッフ)さんからも「自分が信じているものほど?を付けなさい。自分を常にアップデートしなさい」と言って頂いて、毎日勉強しながらファシリテーターになれるように日々取り組んでいるところです。

ーー遠藤選手としてはサッカースタイルとしてはどんな形を目指していますか?

遠藤:川崎フロンターレを見ているとポゼッションがすごいと思いますが、それだけなく鹿島アントラーズのように思い切ったところも出せるように。ポゼッションとパワーを組み合わせたチームになれるようにしたいです。ただ、サッカーをするのは僕だけではないし、副キャプテンの小西(康太郎・3年・ボランチ)や、大澤(昌也・3年・ボランチ)も状況を教えてくれるので、その中で自分も意見をして、相手を見ながらサッカーができている感じです。

ーー――監督はビジャレアルとの提携で得られている部分はありますか?

鈴木監督:ビジャレアルの育成メソッドは非常に勉強になっています。ただ、18年の仲である佐伯さんからも「マネはしないで」と言われているように、時代や状況によって吸収できるところは吸収して、日本のよさや今の環境に合わせたバランス感覚を持っていい指導ができたら、特に選手権は一発勝負ですので、勝負と育成を掛け合わせながら高みを目指せたらな、と思っています。

(文=寺下友徳)