ーーサッカーを通じて学んだものはどんなことでしょうか?

 やっぱり「人間性」の部分ですね。サッカーでも、普段の生活でも「辛い時」ってあるじゃないですか。でもずっとサッカーをやってきて本当に苦しいことも経験してきた。それを経験し耐えてきたので、“あれを乗り越えてきたんだから自分は大丈夫”って思えますね。

日大藤沢時代の浅野葵(写真提供=malvaサッカースクール)

 あとは、小さい頃から通っていたスクールでも、日大藤沢時代も「どういうことをされると相手は嫌がるか?」ということ観察したり学んできました。それって普段の生活でも当てはまることが多くて、友達とかに対しても、「どういうことをしたら嫌がるか?」ということに注意していました。嫌がることは絶対にしないよう心掛けていましたね。他人に対して気を配る、気を使うということはサッカーからいろいろと学んできました。

ーーこれからの目標を教えてください

 最終的な目標はW杯に出場して活躍することで、今はポルティモネンセのトップチームに昇格することですね。パリ五輪も近い(2024年)ので、そのメンバーにも選出されるよう頑張っていきたいです。

ーーサッカーが上手くなりたいと思っている人たちに何かアドバイスをお願いします

 自分も小さい頃はすごく上手い選手ではなかったので、育成世代は努力次第でまだまだ上手くなれると思います。まずは自分の長所を見つけて、それを伸ばしていく。そして「自分にはこれがある」という信念を貫くことが大切だと思います。試合や練習で叱られたとしても、スピード、スプリント、ポジショニングなど何か1つでも「そこだけは負けない」という部分を持っていることが大事で、それを曲げない意思を持ち続けて欲しいなと思います。

 それと、サッカーではメンタル面も重要だと思っていて、自分はよく「1対1」の練習をしていたんですけど、そういう練習をしているとけっこう周りから見られるんです。スタッフはもちろん、選手だったり、選手の親だったり。そんな「周りから見られている」という緊張感がある中でどれだけやれるか。そこを積み重ねることによってメンタル面やハートの強さを鍛えることができたのかなと思っています。