――他にはどういった仕事を?

 アカデミーの年間計画を立てています。中学生は新しく海外遠征に行くプランも組んでいます。海外の文化を学んだり、国外の人間と交流したりすることはプレーヤーとしてだけでなく人間形成においても大事ですから、そういう経験は積ませてあげたいなと。あとは当然U-18チームのスカウト活動もしていますよ。毎週末いろんなところに足を運んでいます。

――現在南葛SCではセレクションの真っ最中ですが、現中3と現高1を中心に募集していますね。

 来年高校1年生になる中3がメインですが、試合に勝つことを考えたら上級生がいないと難しい面もあります。なので、来年高2になる高1の子も欲しいなと。それに高校1年でサッカー部に入ったけれど、合わずに辞めてしまった子って意外と多いらしいんですよ。そこで、もう一度トライしてみようかなと思っている子の受け皿になるのも良いなと考えています。

――来春のスタートに向けて準備は順調に進んでいますか。

 まずまず、思ったとおりの進捗状況ですね。セレクションに選手が集まらないんじゃないかという不安はありましたが、ここまで2回開催して50人ほどが参加してくれましたし、内部昇格も数名いて、着実にメンバーは集まっています。決して有名ではない街クラブでも、1人や2人は上手い子がいて、そういう子たちも関心を示してくれています。私の経歴を見て推薦してくれている監督さんもいて、非常にありがたいです。

第2回に続く。第2回では南葛SC U-18でのビジョン、そして「主体性」とは何かという育成の本質を話してもらっている。

(文=多田哲平)

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