(写真=デールさいたまスポーツクラブ)

―――最初はどんなことを教えていたのですか?

 最初は教えるというよりも楽しませることを求められていたので、一緒にプレーして、ゲームでも子供たちに混ざって。それが自分にとっては良かったかもしれないですね。サッカーが好きというのが大前提にあったので。それと自分が3兄弟の長男というのもあって、弟と一緒に遊んであげたり、面倒をみたりってことが生活の中にあったので、弟と一緒に遊んでいる感覚だった。それが楽しかったし、段々スイッチが入っていった感じでしたね。

 準備体操の時の声出しや、人前で話すことが最初は恥ずかしくて嫌だったことを今でも覚えています。仲間のコーチ陣が良い人達ばかりでみんなが助けてくれて楽しくなっていきました。

―――そこから自分でクラブを立ち上げるところまではどのように繋がっていたのでしょうか。自分で立ち上げるのは勇気がいる事だと思いますが。

 コーチを始めた当初は「サッカーを楽しむ」ことが目的の普及活動での指導がメインでしたが、大学3年になったタイミングで、育成部門のジュニアユースとユースのコーチとしても指導することになりました。

 そこが分岐点でした。初めてチームの指導に携わって、子供たちの目線になってアドバイスや提案をしたら、子供たちがどんどん良くなっていくし、自分が必要とされていることにやりがいを強く感じるようにもなった。その頃から指導者という職業に魅力を感じ始めたと思いますね。大学在学時には就職活動もせずに、このクラブで働きたいと志願してそのまま浦和スポーツクラブに正職員として雇用してもらいました。

 正職員として2年間、アルバイト期間もいれて計6年間クラブに在籍して、色んなことを任せてもらってたんですが、指導者としてもっと教えたいと思ってしまったんですよね。総合型地域スポーツクラブなので、"生涯スポーツとして楽しむ"というクラブのフィロソフィーに対して、"もっとサッカーを教えたい"という自分の欲が強くなってしまったことも退職を考えた理由の1つでした。6年間指導現場をたくさん経験させてもらったことで自分でも出来る自信はあったんですよね。クラブを作るために退職すると決断した訳ではなかったのですが後々自分でクラブを立ち上げるという流れに繋がっていきました。

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