国士舘を指導する本田裕一郎TA。この日はサングラス姿で指揮にあたった(写真=多田哲平)

 市原緑や習志野、流通経済大柏を全国屈指の強豪に育て上げた本田裕一郎氏が2020年からテクニカルアドバイザー(TA)を務める国士舘は、令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選の1次トーナメントブロック決勝で東海大菅生に3-2で勝利。2次トーナメント進出を決めた。

 東海大菅生戦での勝利は、粘りに粘って掴んだものだった。

【マッチレポート】国士舘 vs 東海大菅生

 前半はボールをなかなか前に運べず、後手に回ると、38分にロングスローの流れから先制点を献上。その直後にMF高橋遼平(3年)のゴールで追いついたものの、40+2分にPKで再びリードを許した。

 リズムを掴めない状況を受け、後半開始と同時にFWワフダーン康音(2年)、MF加藤翠生(2年)、FW原田悠史(2年)という、いずれもスピードとテクニックを備える選手をピッチに送り出す。

 この3枚替えで流れが変わった。パスワークがスムーズになり、相手のプレスを外して相手を押し込む時間が増えていった。すると後半25分にCKからMF島田龍(1年)がヘディングで同点ゴールを奪い、スコアを振り出しに戻す。

 そして延長前半10分、MF加藤翠生が待望の逆転ゴールを奪取。その後は東海大菅生の猛反撃を凌ぎ切った。

 薄氷の勝利を本田TAは以下のように振り返る。

 「全然ダメ。前半は本当に情けなかった。やっぱり技術的にまだまだ。後半はつなげるようになりましたけどね。前線に小さくても上手くてスピードがある子を入れたから。細いから潰されちゃうだろうなと思って先発にはしなかったけど、やっぱり体つきだけで判断したらダメですね(笑)」

【次のページ】 だんだんしぶとくなってきて、ビハインドをひっくり返せるようになった

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選