選手たちのプレーをチェックする監督やコーチたちの目も真剣そのもの

 このトライアウトだが、以前は中村さんの方から「アメリカの大学留学に興味を持っている子たちが増えてきているから日本に来てくれ」と呼びかけてはいたものの、なかなか強豪校の監督は来てくれなかったという。来てくれていたのはそれほど強豪ではない大学の監督で、しかも費用はWithYou持ちだった。

 ところが最近ではアメリカの大学の監督から「費用は自分たちが持つから、ぜひこの目で選手をチェックしたい」と、自費でトライアウトに参加するパターンがほとんどだそう。その理由はWithuYouがサポートしている日本人留学生たちのアメリカでの活躍が“スーパーだから”だという。アメリカの大学は、リーグが規定する評定平均をキープしていないと部活動が禁止されてしまうそう。

 つまり、どんなにサッカーが上手くても、しっかり勉強しない人間は部としてはNG。その点、サッカーのテクニックはもちろん、大学の部活ということを考えた場合に、日本人の人間性や規律を守るところなどはかなり高い評価を得ているため、各大学が自費でトライアウトに参加するようになったという。

 ちなみに今回参加したアメリカの大学は全米1部リーグのサンタ・クララ大学からキャメロン・ラスト監督とエリック・ヤマモト準監督、同じく全米1部リーグのマーシャル大学からクリス・グラッシー監督、アメリカの短大トップリーグのアイオワウェスタン短期大学からシーザー・ヘレイラコーチ、そしてスペイン1部チームのアカデミープログラムからトッド・スタウバースカウトなど。この他にもトライアウトの動画は全米中心に50校以上の監督やコーチなどへ送られるという。

 今回のトライアウトは、まず視察に訪れた監督やコーチなどスタッフたちの紹介からスタート。彼らのコメントに、トライアウトに参加した選手たちも真剣に耳を傾ける。

ゲーム後に行われた質問会では英語で質問する選手も見られた

 挨拶が終えるとウォーミングアップ、その後20分1本、30分1本というミニゲームがスタート。今回のトライアウトに参加した選手は、インターナショナルスクールに通っている選手もいれば、セレッソ大阪U-18や清水エスパルスユース、柏レイソルU-18といったJユースチームに所属している選手、高体連では静岡学園や桐蔭学園など名門チームに所属している選手もいるなど、その経歴はさまざま。

 ミニゲームを見ると、まず高いテクニック持つ選手の多さに驚く。さらにこの日初めて会ったという選手も多いながら、試合ではしっかりと声を掛け合ってプレーするなどコミュニケーション能力の高さなどもうかがえる。

 試合後には視察に訪れた監督やスタッフから「今日参加してくれた選手には、これからもサッカーを続けて欲しいと思いますし、ぜひアメリカにも来て欲しいと思います」(マーシャル大学 クリス・グラッシー監督)、「素晴らしいテクニックを持った選手が多く、みんな上手かったです。これから頑張って欲しいのは英語の勉強とフィジカル面の強化」(サンタ・クララ大学 エリック・ヤマモト準監督)など、この日の感想が語られると、その後は質問会に。ここでも多くの選手が英語で質問をするなど、その“本気度”が感じられた。

 この「WithYouトライアウト」は関西でも予定しているとのこと。サッカーをしながら将来のために語学力を身に付けたいという人などは、「海外留学」という道を検討してみるのもいかがだろうか。