堀越の佐藤監督(写真=志水麗鑑)
キックオフ直前、活発なミーティングが行われていたが、一般的なチームの様相とは異なるのがすぐ分かった。堀越は選手間で戦術を確認し合い、指揮官がそこに口を出さない。耳を傾けながら、輪の外で見守っていた佐藤実監督が指導方針を明かしてくれた。
「今日の試合で僕の判断だったのは最後の交代くらいで、あとの交代も選手たちがほぼ決め、スタメンを選んだのも選手たちです。彼らが積み重ねてきたものに、僕は少しヒントを与えているだけです」
10月29日に行われた第102回全国高校サッカー選手権東京予選の2次予選Bブロック準々決勝、駒澤大学高等学校戦で堀越の選手たちは躍動していた。序盤から流麗にパスを回してボールを保持して攻勢に出るだけでなく、敵の反撃を食らっても身体を張った守備で奮闘。GK1吉富柊人(3年)の好守もあり、相手にゴールを許さない。佐藤監督が選手たちのパフォーマンスを称えた。
「今年はT(東京都)リーグでも失点が多く、なかなか改善することができていなかったですが、この選手権に入った流れで3試合とも無失点で抑えられた。点を取られずに守りきれたのは評価できると思います。無失点に抑えられたのが今日の勝因。守るところはしっかり守ろうという、彼らが決めた戦い方で結果が出ている」
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▽第102回全国高校サッカー選手権東京予選
第102回全国高校サッカー選手権東京予選