試合を動かしたのは26分。常葉大橘のFW10松浦芽育子がDF5望月寧々の折り返しを合わせ先制。選手たちの顔には自信が宿り、ここから常葉大橘に攻撃のリズムが生まれる。前半の終了間際、藤枝順心のDF24尾辻夏奈が放ったFKは惜しくもゴール直前でクリアされ、前半は常葉大橘の1点リードで終わった。

 「リードを2回したのに追いつかれて、正直きついとか苦しいとかあったかもしれないですけど、自分らの中では絶対いけるって気持ちで最後勝てたと思います」。常葉大橘のキャプテン望月が試合を振り返る。同点に追いつかれても下を向かず、仲間同士の声掛けで前向きな気持ちを繋いだ。彼女たちが見ていたのは“勝つしかない”未来だけだった。

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