
常葉大橘イレブン(写真=西山和広)
「歴史を変えたい」。そんな願いが、最後に歓喜を呼び込んだ。
令和7年度静岡県高等学校総合体育大会女子サッカー競技の決勝戦。大会12連覇中、夏冬全国5大会連続Vの絶対女王・藤枝順心と対戦した常葉大橘がもつれ込んだPK戦を4-3で競り勝ち、ついに県王者の座を奪い取った。スタンドを包んだ藤枝順心応援席の太鼓の音と声援をかき消すかのように、常葉大橘の選手たちは一丸となって歴史を書き換えた。
試合開始の笛が鳴ると、両者ともに鋭い立ち上がりを見せる。序盤、藤枝順心のキャプテンMF22鈴木由真が鋭い突破を見せるも、常葉大橘のGK1稲川真紀が冷静にキャッチ。常葉大橘は6分、左サイドからのFKに合わせることはできなかったが、立ち上がりの数分で互いの狙いを示した。