「関東でベスト8で負けて、インターハイでやってやるって気持ちはあった。でもそこでも負けた。悔しい思いをした分、ここで終われないって意味で、練習でも強度を持ってやってる」
敗北は、時に選手を萎縮させる。だが日大藤沢にとって、それは逆だった。真夏の和倉、そして青森への遠征。うまくいったり、いかなかったりの日々を経て、彼らは「このままじゃ終われない」という共通の感情でひとつになった。それは、監督の言葉でもなく、スローガンでもなく、選手たち自身の内側から湧き上がった、生々しい渇望だった。
「こんなんじゃ終われないっていうのは、多分日藤が一番強いと思う」
その言葉には、プライドがある。神奈川屈指の強豪として、そして日本一を目指すチームとしての、譲れないプライドがある。8点を奪っても満足しない。むしろ、試合終盤の10分間に課題を見出し、「あれじゃダメだった」と自らを律する。「切り替えの部分、守備の強度はもっと上げていかないとダメ。試合の終わらせ方も、今日の残り10分はあれじゃダメだった」
▽第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選
第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選

