決定的な仕事をやってのける切り札の存在は、何とも頼もしいものだ。4月に就任した芦田徹監督は長について、「ピッチにいるだけでチームメートの安心感が違います。特別な選手ですね」と目を細める。
0-0のまま規定の後半40分が過ぎ、延長戦に突入する様相が濃くなってきた。3分あった追加タイムが1分40秒を刻んだ時、長の放ったシュートが武南のゴールに吸い込まれていった。
左SB古川雄規(2年)が、ハーフウエーラインの左サイドにいた長にボールを預けた。前にいたマーカーを軽やかにいなすと、しゃにむに敵陣深くにまで前進していく。ペナルティーエリアに進入し、防御に入ったDFよりも先に放った左足シュートは、GK金昶銖(2年)の手に触れながら右隅に転がっていった。
【次のページ】 昌平が3戦続いて耐久戦を制し全国切符を獲得(5)
▽第104回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第104回全国高校サッカー選手権埼玉予選