2002年に就任した為谷洋介監督は、価値あるリーグ戦初制覇について「本当にうれしい」とだけ言うと、「選手にも伝えたんですが、ここからが新たなスタートです。S1での頂点は誇らしいが、参入戦を勝ち抜かないことには優勝の意味も半減しますからね」と述べ、手放しでは喜んでいなかった。イレブンもタイムアップの笛が鳴って初優勝が決まっても、派手な歓喜のポーズはなく、喜び方は極めてささやかなものだった。
11月の第104回全国高校サッカー選手権埼玉予選準決勝では、優勝した昌平から先制点を奪いながら延長で敗れ、初制覇の夢を絶たれた。
主将のボランチ朝烏真大(3年)は「負けた後はチームの雰囲気も悪かったし、モチベーションも上がりませんでした。でも僕らの代はS1を制してプリンスリーグ関東2部昇格を目指していたので、その誓いを思い出して気持ちを切り替えました」と、選手権予選からリーグ戦再開までの様子を説明した。
11勝5分け2敗という優れた戦績を残せたことについては、「2敗しかしなかったことが大きいと思う。失点が少なく、個性的な攻撃陣が点を取ってくれたのがこの数字につながりました」と攻めも守りもバランスが取れていたことを強調した。

