近大附の集合写真

 以前取材した際にも「連続でベスト4で負けている。何が何でも全国へ行きたい」と、あと一歩で全国を逃し続けてきた葛藤を口にしていた指揮官。その後も大阪の激戦区を勝ち抜けず、悔しい思いをしてきた。自身も近大附のOBであり、選手としてもスタッフとしてもあと一歩で全国に届かなかった。

 サッカー部創部から36年間チームを率いてきた山田稔前監督に代わり、2023年度からOBの寺師監督がコーチから昇格し、4年目でその高い壁を今夏、ついに乗り越えた。「僕がコーチの間は全国大会に行けなくて、山田先生を連れていくことができなかった。自分が監督になってからも先生がおられた時期に連れていけなかった。その思いが凄く強かった」と寺師監督は明かす。近大附のスタッフはOBが多く、誰もが「山田先生を全国へ」という熱い気持ちを胸に秘めていた。

 今大会、現地に足を運んだ山田前監督からは「最初の5分、ラストの5分の集中力が勝負のあやになる」と、数々の全国舞台を経験してきたからこその貴重な助言を受けた。寺師監督はその教えをただ鵜呑みにするのではなく、日頃から選手たちと積み上げてきたサッカーにどうマッチさせるかを深く模索し、勝負どころで見事に体現してみせた。試合後、見事に勝利を飾り、一緒に素直に喜んでくれた恩師の姿に、指揮官は「めちゃくちゃ嬉しい」と笑顔で語った。

 今年のチームの強みは、何よりも「層の厚さ」と「マインドセット」にある。怪我で苦しみ、インターハイ予選で順番に復帰してきたレギュラー番号の選手たちが、途中出場であっても「チームのために自分がやれることをやる」という献身性を発揮できるようになった。これこそが、寺師監督が4年間の指揮の中で築き上げてきた近大附の新しい文化であり、伝統だ。

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▽令和8年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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