リードを許した尚志はシュートパスを主体に好機を探す。すると67分に右サイドをドリブルで仕掛けた11番加藤直輝(3年)が深い位置からマイナスに送るとエース9番染野唯月(2年)が迫るDFとGKを切り返しでかわして無人のゴールに豪快に蹴り込み同点弾。さらに、攻め立てる尚志は素晴らしいパスワークから逆転する。相手陣地左サイドで9番染野唯月(2年)がボールを持って前を向き10番伊藤綾汰(3年)に預け、ゴールに向かい走る。10番伊藤綾汰(3年)はワンツーをみせながらタメを作り中央の11番加藤直輝(3年)へ。これをワンタッチで9番染野唯月(2年)の足元に綺麗にパスを通すとPA内で受けた9番染野唯月(2年)がゴール右隅に流し込みハットトリック達成。3-2と再びリードする。終盤、5番三国ケネディ・エブスを前線にあげた青森山田はDFラインからのロングボールを5番三国ケネディ・エブス競り合い、ルーズボールに反応した途中出場の13番小松慧(3年)が値千金の同点ゴールを奪い、PKへと突入する。
青森山田GK1番飯田雅浩の活躍もあり、PK戦で勝利した青森山田が決勝へと駒を進めた。惜しくもPK戦で敗退した尚志。福島勢初の決勝に進む夢は叶わなかったが、観る者を魅了した、パスサッカーは今大会で最も印象に残るチームになったことは間違いない。前回優勝以来、2年ぶりの決勝となった青森山田が同じ東北勢の気持ちを背負って、決勝へ挑む。
(文・佐々木竜太 写真・甲斐雅人 )