攻めるしかない正智深谷は後半28分、気迫溢れるオナイウが右サイドで2人をぶっちぎって途中出場の1年生MF山本滉が右足で狙ったが、ボールはキーパーの正面。さらに終盤はセンターバックの福田零雄那を前線に残してパワープレーに出ると後半33分、オナイウのクロスに福田が頭一つ抜け出す打点の高いヘディングを決めて1点を返したが、あと1点が遠かった。

「選手権の借りはやっぱり選手権でしか返せない。ここで当たると決まってから一昨年の借りを返したい気持ちはすごくあった。個人的にこの試合にかける気持ちは強かったです」。そう関根が振り返るのは2年前の選手権予選・準決勝の正智深谷戦。その年の昌平は初出場のインターハイで3位、針谷岳晃(磐田)、松本泰志(広島)と2人のJリーグ内定選手も決まっており、選手権での躍進も期待されていた中で正智深谷にフリーキックから記録上たった1本のシュートを決められ0ー1で敗退。現メンバーで唯一出場した関根も悔し涙を流した。今年も総体3位、J内定選手を擁する似たような状況で迎えた正智深谷戦。藤島崇之監督はあえてこの1週間その話を口すっぱくし、「強気でいこう」と選手たちを鼓舞していたという。

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