そんな西村が掲げるのが「全力プレー」。「全力でやらないとチームも良い方向に持っていけない。自分が全力でやることでチームの士気も上がると思うのでそこは意識しています」「フルで出たい気持ちもあるんですけど、交代メンバーにも良い選手が揃っているので全力を出して交代するなら問題ないです」と西村。熱量のあるプレーでチームに勢いをもたらしている。指揮官も「役割を果たしてくれた」と評したが、もちろんフォワード、ゴールへの強い気持ちもある。「やっぱり自分はフォワードなので点を取らないと意味がない。次は点に絡めるように頑張りたいです」。憧れと語るルイス・スアレスのように次はゴールでもチームを助ける。

「後半の試合内容は本当に胸を張れる内容だったと思う。後半はみんな勇気を持って、身体を張って正智らしいサッカーができて本当に良かったというのはあるんですけど、やっぱり勝ちたかったですね……」。後半は押し込んでいただけに正智深谷のエースは敗戦を悔やんだ。主戦場のサイドに移った後半は気迫溢れるドリブル突破でチームを鼓舞。敬愛するエデン・アザールのように何度倒されようともサイドで仕掛け続け、終盤に福田の得点をアシストし1点差と迫ったが、あと一歩及ばず。「あと少しだったので本当に悔しい」と言葉を詰まらせた。今後の進路についてはさまざまな方面の可能性を含めまだ未定だというが、「プロへの夢は自分の人生そのものと言ってもおかしくないもの。そのためにサッカーをやっていると言っても過言じゃないし、自分はまだまだ諦めるつもりはないのでこれからも頑張っていきたいです」。「これからはとにかく頑張っていままで応援してくれた家族もそうだし、ああやってスタンドから大きい声を出してくれたみんなの応援もそうだし、ここまで自分を成長させてくれたスタッフのためにももっと上のステージに行って、みんながあいつと関われて良かったなと思えるような人になりたいですね」。この経験をバネにネクストステージでの活躍に期待したい。

記事提供:埼玉サッカー通信・石黒登